頭痛
頭痛の症例をご紹介致します。
頭痛といっても、種類は様々です。
薬を飲んでも痛みがおさまらないこともあります。
あなたの頭痛はどんな頭痛ですか?
- こめかみがズキズキ脈打つような痛みが…
- 頭全体が締め付け感を感じています…
- 目の奥がえぐられるような痛みが…
- 薬を飲んでも全く改善しない…
- 頭の中が痛い頭痛…
- 夜も眠れず、頭皮が痛い感じがある…
- 不安感と共に毎回やってくる頭重痛…
私たちの鍼灸院には、他ではあまり改善が見られなかった患者さんが、
多数いらっしゃっております。現在もその一部ではありますが、
症例報告を更新し続けております。
それでは、症例をご覧ください。
症例1 20年来の偏頭痛
患者
20代 男性
来院
2017.2
症状と来院理由
主訴は慢性の偏頭痛。偏頭痛が発症してから20年が経過している。長時間労働による体のストレスと、出張が多いなどの体の負担が増えることが原因の1つになっている。頭痛外来の病院を受診しているが改善せず、薬ではなく体の治癒力を回復させることを目的に鍼灸治療に興味を持って来院。頭痛が出ている時は閃輝暗点などの特徴的な症状が現れる。休日には横になっている状態。肝臓の数値もあまりよくなく、改善したいと感じている。
通院ペース
週1回
治療内容と経過
主に交感神経緊張状態の解放を行った。
頭痛が出ている状態を分析すると2つのことが考えられる。交感神経の過緊張状態による痛み、もしくは交感神経が働きすぎて体が疲弊した結果の痛みの二種類。どちらにせよ交感神経の働きを調整することが必要。過緊張状態を改善するには首の頸椎1番を調整し、疲弊からの痛みに関しては仙骨や仙腸関節を中心に体の副交感神経を刺激して免疫力を高める施術となる。今回は交互にそれを行うことで、現在はほとんど頭痛に悩まされることなく生活できるまで改善出来ている。
同時に治療をした症状
背中の痛み
使用した主なツボ
大腸兪
考察
20年以上の慢性偏頭痛の場合、治療方針が緊張を取ることにフォーカスしがちになるが、今回は体の過緊張だけではなく疲弊からくる体の痛みに対する治療にも最初から取り掛かったことが、早期治癒につながったと感じる。体の構造として、回復力を高める為には、脳神経系と構造系の治療が必要になる。特に私たちの施術体系の中で頭蓋骨整体を行うことで中枢神経系にアプローチをすることが出来るので、頭痛に対する施術を得意としている。
薬を使った西洋医学の治療に限界を感じて来院される方が多くいる中で、症状を本質的に治癒に導くことが出来る施術体系をこれからも深めていく為に、症例研究を重ねていく。
症例2 脳の機能低下と頭痛
患者
20代 女性
来院
2016.2
症状と来院理由
主訴は肩こりと頭痛。営業のお仕事をしておりストレス性の体の緊張が強い傾向がある。体は猫背、首と頭蓋骨の関節部に著明な硬さがある。頭痛は毎日鎮痛薬を飲まなければならないほど痛みがあり、会社を早退するほど。手の震え、動悸なども体の症状として抱えていることを考えると、自律神経の乱れが長期的に体に負荷をかけていると考えれる。
通院ペース
週1回
治療内容と経過
生活習慣を改善し、頭痛薬による体の負荷を取り除く鍼をしていくように治療を計画した。頭と首の関節移行部、腰と骨盤の骨の関節移行部を特に集中的に治療することで、自律神経幹にかかる負荷を取り除いた。初回の治療後から頭痛軽減効果が表れて、持続している。
同時に治療をした症状
肩こり、猫背、胃の痛み
使用した主なツボ
天柱、L5-S1
考察
仕事の負担や生活環境の乱れがあったなかで我慢を続けていたことが、症状悪化につながってしまいました。体を休めること、鍼治療をしっかりと継続して受けることで、症状が改善していくと分かった。お体は順調に回復をしている。
症例3 パニック障害と頭痛
患者
30代 女性
来院
2018.5
症状と来院理由
主訴はパニック障害、頭痛。パニック障害を発症したことがあり、ストレスがかかったり、体の体力が落ちてくると発症することが多い。特に仕事に関するストレスで発症する。来院時は、前日の冷えから吐き気、頭痛、下痢が続いて家から出られない状態だった。
通院ペース
週1回
治療内容と経過
神経の鎮静化をしていく。
来院時、体力が著しく低下している状態が目に見えた。顔面蒼白、腹部の硬結を多数確認。両手両足は冷えて、舌の色は白くなり血虚の状態。交感神経が緊張しすぎて体力を消耗しやすい状態となっていた。自分では寝ても覚めても何も変わらない状態だったので、信頼できる友人のご紹介で来院された。
処方は、腹部硬結に対して緩める為にホットストーンを置いて温めて、頭蓋骨整体を施術。脳脊髄液の循環と末端血流増加を目的に治療を行った。
同時に治療をした症状
冷え性、動悸
使用した主なツボ
印堂
考察
普段は自己管理が行き届いている方だったが、急激な寒さと体の疲れが重なってしまい、今回の症状を発症してしまった。早めの施術が出来たことはとても良かったが、今後このような体力とストレスのアンバランスによる症状悪化を防ぐために、月1回の治療を提案。その合間に関しては、体力を養うために運動をお勧め。
初回の治療後から、吐き気、頭痛は改善していた。体の反応が良いことを考えると、体力は普段から問題はないように思える。今回の症状発症は、季節変動の環境ストレスにより引き起こされた。
今後は鍼施術をメインに神経の過緊張状態を予防し、季節の変わり目の体力減少を防いでいく。
症例4 体の緊張感と頭痛
患者
50代 女性
来院
2018.5
症状と来院理由
主訴は身体の緊張感と頭痛。
睡眠がうまく取れないほどの緊張感と、両手足のしびれが強い状態が一日中続いている。自律神経の乱れが強く、全身の緊張状態が続いていることで酸素不足が慢性化している。深呼吸をしても深く呼吸を入れることが出来ず、めまい、頭痛などの症状が和らぐことがない。
通院ペース
週1回
治療内容と経過
ストレスによる体力低下を解消していく。
常にストレスを感じて生活をされているようで、病歴としてはないが躁鬱状態を呈している。多弁、優越性を誇張したりする言動がみられるのはその特徴。とにかく神経が高ぶっている状態が継続しているので、カウンセリングでまずは心の状態を落ち着かせたのち、頭蓋骨の歪みと全身の過緊張を解消する目的で施術を開始。
オイルトリートメントは酸素の補給、お灸はしびれを改善するための神経促通を目的に行った。
頭蓋骨整体は脳の機能低下を解消する為に行っていった。
症状の改善は、毎回見られていた。
同時に治療をした症状
不安感
使用した主なツボ
壇中
考察
家族のことや友人関係のことなどのストレスが相次ぎ、常に神経過敏状態を継続している方だった。自分自身の精神状態をコントロールすることが出来ないのは、相対的に体力がストレスに対して負けている状態になっているからであり、体力を養うことを目的に、セルフケアもお伝えした。サプリメントも併用することで体力面を補うことが出来た。
しかし神経のたかぶりがとても厄介で、体の緊張を取り除くために毎回にカウンセリングは欠かせなかった。
頭蓋骨整体は効果が認められ、毎回の首の凝りを解消することで横隔膜の緊張状態を改善することに繋がり、SPO2酸素濃度も改善が見られた。
症例5 マスクを着用による頭痛
患者
20代 男性
来院
2022.7
症状と来院理由
主訴は、コロナ禍でマスクをつけ始めてから息苦しさを感じ始め、体調を崩して頭痛になって困っていたので来院。体を動かす仕事をしているため、症状があることによって仕事に集中することが出来ない。精神的にも不安感が強くなることがある。睡眠時間を確保しているが、体調が回復してこない。食事内容もあまり胃腸消化に負担がかかることは避けたいと思っている。体調が早く回復するように鍼灸施術を受けたい。
通院ペース
週2回~週1回
治療内容と経過
現在(2022.10)、頭痛の症状や気分の不安定感は出なくなった。息苦しさなどもマスクを着用しているとずっとあったのが、今ではほとんど気にならない状態まで回復をした。体を動かす仕事をこなしていても、体力が持つようになった。セルフケアとして、猫背ケアと下肢血流をよくするための体操をお伝えした結果、血流が回復しやすくなり体調の安定につながっている。
同時に治療をした症状
お腹の調子が悪い(腹痛など)
不眠(睡眠障害)
使用した主なツボ
中脘、三陰交、陰陵泉、脾兪、肝兪、身柱
考察
マスクを着け続ける生活によるストレス過多が続いていた頭痛であったと感じました。酸素供給量が減ってしまうことで、頭痛になりやすい状態が続いていました。マスクは今もつけ続けていますが、症状は特にひどくならず良くなっています。酸素供給量と同時に消化機能を高めて、基礎体力を高めたことで頭痛が起こる原因がなくなったと考察しました。今後もセルフケアを継続していくことによって、体調が安定するようにサポートをしていきます。
症例6 気圧の変化と頭痛
患者
30代 女性
来院
2022.8
症状と来院理由
主訴は、気圧の変化が起こったときに必ず発症する頭痛。月経の周期でも頭痛が起こりやすい特徴があり、気分の落ち込みなども起こってしまうので来院。職場でのストレスが大きく関係していることもあり、施術でストレスの軽減を目的とした施術を受けている。
通院ペース
週1回~2週に1回
治療内容と経過
現在(2022.10)、気圧による頭痛症状の症状は出なくなった。会社のストレスでは体調を崩したり精神的に落ち込むことがあるが、通院前よりも困ることはほとんどなくなった。偏頭痛によるズキズキする痛みや、緊張型頭痛のように頭を締め付けるような痛みから解放されて、笑顔が増えてきた。
大腸経、肝経を調整して血液の流れと全身の気を巡らせることで気圧変動に耐えられるようになったと考えられる。合谷と太衝などのツボを使用した。
同時に治療をした症状
冷え
使用した主なツボ
足三里、百会、合谷、太衝、腎兪
考察
女性はホルモンバランスの影響で、頭痛が起こりやすい傾向にあります。血虚や気滞が原因となることが多いですが、今回の症例では気滞と肝鬱が同時に起こったことが頭痛を引き起こしていたと考えられます。大腸経の合谷というツボは、肝臓の気の流れを調整し、気を巡らせる性質があるため、施術による症状回復につながったと思いました。
症例7 不安感がある方の緊張型頭痛
患者
50代 女性
来院
2022.11
症状と来院理由
主訴は、不安感があってのご来院。不安感が強くなることによって、緊張型頭痛が起こる。側頭部と頭頂部に頭痛が起こりやすい。薬はあまり飲みたくないため、鍼でなんとかできないかと思っている。脳血管などの専門的な検査では特に異常は認められなかった。
コロナ禍に入ってから睡眠の乱れも起こっていることから、ストレス性の症状悪化の可能性もある。
通院ペース
週1回~2週に1回
治療内容と経過
自律神経のうち、交感神経が緊張しすぎたことによって、副腎皮質ホルモンが分泌過剰となってしまったことが原因だと判断。肝と腎の働きを調整し、副腎皮質ホルモン分泌による副腎疲労症候群に対するアプローチを追加。お灸は天枢に行うことで、大腸のホルモン生成機能を向上させて、自律神経の施術を行った。
施術後は、頭もすっきりした感じがあり、鍼灸との相性が良かったと判断。
同時に治療をした症状
不安感
使用した主なツボ
天枢、太谿、天柱
考察
更年期障害の時期でもある年齢層の方は、交感神経の使い過ぎによる副腎疲労症候群を疑うことから始めると、施術後の変化の経過を追いやすい。副腎疲労症候群に陥ると、体力の回復が遅れてしまうため、早期に施術で対処をすることが望ましい。
症例8 月経前症候群による頭痛
患者
30代 女性
来院
2022.10
症状と来院理由
主訴は、月経前症候群による偏頭痛があり、吐いてしまうほどの症状があるのでご来院。普段は体の不調があっても我慢できるが、月経前症候群の時は我慢できないほどの眠気、身体の痛み、偏頭痛が起こってしまう。薬を飲んでも回復しないので、鍼灸で施術を試みる。
通院ペース
週1回
治療内容と経過
月経前症候群の施術は、肝臓と腎臓のケアをしていくことが先決。血がたまりやすい体質で、お血がたまりすぎて頭痛症状が出やすくなってしまっている。局所的な虚血が原因。巡らせる力と補う力を調整するために、太衝、腎兪、志室に施術を施した。
月経前症候群の症状は経過観察ではあるが、症状のコントロールはできている。
同時に治療をした症状
倦怠感
使用した主なツボ
太衝、中脘、足三里、腎兪、志室
考察
偏頭痛を引き起こしている方でしたが、月経前症候群のホルモンバランスの不調が大きな影響を出していた症例でした。女性は偏頭痛の症状のコントロールに、月経周期が関係してくることが多い。
以上